AUTOSARAUTOSAR

AUTOSAR (AUTomotive Open System ARchitecture) は、自動車業界全体における車載ソフトウェアの再利用や開発工程の自動化を進めるために不可欠な「標準化」を目的として2003年に設立されたコンソーシアムです。

現在では、ほぼ全ての自動車関連企業がAUTOSARに参画し、既に欧州での新規開発では殆どの場合でAUTOSARが採用されており、日本国内においても採用が広がっています。当初は静的OS(OSEK/VDX OSベース)を用い、後にClassic Platformとなる規格が定義されていましたが、2017年に動的OS(POSIXベース)を用いたAdaptive Platformが登場しました。
また同時期に、Classic PlatformとAdaptive Platformの共通要件、共通Methodology、プロトコルなど共通技術仕様を定義するFoundationが定義されました。

01AUTOSARによる標準化 ーNon-AUTOSARからAUTOSAR規格へ

AUTOSARを導入することにより、ハードウェアとアプリケーションソフトウェアの独立性が高まり、標準化をし易くなります。抽象化を通じて水平レイヤに分離可能なため、以下事例のように、開発時間、コストの削減や、開発効率向上を実現することが可能です。

  • アプリケーション間(ECU内、ECU間)で通信プロトコルを意識せずに連携可能
  • OEMとECUサプライヤの役割分担を明確化し、連携・分業しやすくなる

AUTOSARによる標準化イメージ

02昨今の自動車産業の課題とAUTOSAR の動き

今後の自動車は、高度な自動運転、Car2X、V2Xアプリケーション、IoTやクラウドサービス、取り扱うデータ量の増大、高い信頼性への対応が求められます。E/E Architectureにおける車載コンピューティングには、ハイパフォーマンス、柔軟性、インターネットとの接続性能が求められます。その一方で、既存ソリューションとの下位互換性、安全、安心への要件追加への対応も必須です。その課題に対して、AUTOSARは各種インフォテイメントと連携するAdaptive Platformと、Classice Platformの連携する技術を規定していきます。

Classic Platform と Adaptive Platformの連携イメージ(出典: AUTOSAR org)

03AUTOSARとオーバス製品について

オーバスは、上記のような自動車技術の高度化に対応し、AUTOSAR準拠のBSW製品および関連製品、開発ツールを開発し、AUBIST*ブランドで提供いたします。また、オーバスは自動車機能安全規格 ISO 26262 2nd Edition (ISO 26262:2018) のソフトウェア開発プロセス認証を取得し、機能安全(ASIL-D)対応の開発プロセスに準拠しています。自動運転技術が高度化し、自動車ネットワークサービスが多様化していく自動車市場に対して、安心・安全なBSWを提供します。初めてAUTOSARを導入されるお客様には、講義形式のAUTOSAR導入トレーニング、ワークショップ形式のBSW導入支援、など車載経験豊富なエンジニアリングサービスを取り揃えております。
*AUBISTはオーバスの登録商標です。

オーバスが提供するAUBIST製品/サービス全体イメージ